高尿酸血症
高尿酸血症
血液中の尿酸という物質が過剰に増えた状態のことで、血清尿酸値7.0 mg/dL以上で高尿酸血症と診断されます。尿酸は、体の中でプリン体という成分が分解されるときにできる老廃物で、ほとんどは尿として体外に排泄されます。しかし、尿酸が作られすぎる、または排泄がうまくいかないと血液中にたまり、病的な状態になります。
⚫︎高尿酸血症の原因
尿酸の排泄に問題がある原因には、2型糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、閉経、脱水症、利尿薬の長期服用、遺伝的な要因などがあります。尿酸が作られすぎてしまう原因には、プリン体を多く含む食品・お酒・果糖が多い食品の過剰摂取や、糖尿病や肥満による肝臓の働きの変化などがあります。
⚫︎高尿酸血症が続くとどうなるか
尿酸が血液中に多い状態が続くと、結晶となって関節や腎臓に沈着し、次のような病気を引き起こします。
痛風
尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こす病気です。血液中の尿酸値は1日の中で早朝に高く、その後緩やかに低下する特徴があります。痛風発作も早朝に多く、体温が最も低い足の親指の付け根が急に腫れて激痛が走るのが特徴です。尿酸値が高いまま放置すると炎症が慢性化して骨や関節の破壊や変形が進行することもあります。
腎・尿路結石
尿酸が結晶化して腎臓・尿管・膀胱に石ができ、腰痛や尿の感染症、尿が出せないなどの症状が起きます。
腎障害
尿酸が腎臓に沈着して機能が低下します(慢性間質性腎炎)。
⚫︎高尿酸血症の治療
自覚症状がない高尿酸血症では、尿酸値が8.0mg/dL以上で生活習慣の見直しを行っても改善せず、慢性腎臓病・高血圧・心臓の病気(狭心症・心筋梗塞など)・脳卒中・肥満やメタボリックシンドローム・非アルコール性脂肪肝疾患の持病がある場合は、薬物療法を検討します。関節(特に足の親ゆび)が急に赤く腫れて激しく痛む痛風発作が起きたときは、炎症を抑える薬を使います。その後は、尿酸値を6.0mg/dL未満を目標にし、尿酸を下げる薬を飲んでいる途中で痛風発作が起きても、薬をやめずに継続していただきます。
<生活の中でできる予防>
- 水分をしっかりとる(1日2リットルを目安に)
- お酒を控える(1日に日本酒1合・ビール350~500ml・ウイスキー60ml程度まで)
- プリン体を多く含む食品を控え(レバー・魚卵・魚の乾物など)、食べるときは茹でる
- 野菜や海藻をしっかりとる
- 適度な運動をする
<プリン体の多い食品>
内臓・肉:レバー、生ハム、サラミ
魚介類:あん肝、太刀魚、イワシ、カツオ、マグロ、牡蠣
魚卵:白子、明太子、キャビア
甲殻類:エビ、カニ
干物:アジの開き、しらす干し、干し椎茸
アルコール:ビール>発泡酒>日本酒>ワイン
<プリン体の多い食品>
内臓・肉:レバー、生ハム、サラミ
魚介類:あん肝、太刀魚、イワシ、カツオ、マグロ、牡蠣
魚卵:白子、明太子、キャビア
甲殻類:エビ、カニ
干物:アジの開き、しらす干し、干し椎茸
アルコール:ビール>発泡酒>日本酒>ワイン
肥満症
肥満症
体に過剰な脂肪がつきすぎた状態を指し、体格指数(BMI=[体重㎏]/[身長m]2)が25 kg/m2以上で肥満です。さらに、肥満による健康障害が1つ以上あるか、内臓脂肪が蓄積している(腹囲が男性85 cm以上・女性90 cm以上)場合に肥満症と診断されます。特にBMIが35 kg/m2以上の場合は、心不全や呼吸不全、睡眠トラブルや関節への負担や精神的な問題を引き起こす可能性も高く、より厳格な治療が必要となります。
肥満による健康障害
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)
- 脂肪肝(非アルコール性
- 肪性肝疾患 NAFLD)
- 月経異常・不妊
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)・肥満低換気症候群
- 運動器疾患:変形性膝・股・手指関節症、変形性脊椎症
- 肥満関連腎臓病
⚫︎肥満症の原因
肥満症は大きく二つに分類されます。
① 原発性肥満症
生活習慣の乱れや環境、体質など様々な要因が組み合わさって起こり、肥満症の90%以上を占めます。
② 二次性肥満症
別の病気や薬の副作用によるものなどが原因で、代表的なものに以下のようなものがあります。
- ホルモンの分泌異常をきたす病気:甲状腺機能低下症、クッシング症候群、性腺機能低下症(前立腺がんの治療後・閉経など)、成人成長ホルモン分泌不全症、多嚢胞性卵巣症候群、インスリノーマなど
- 薬剤の副作用:抗うつ薬・向精神薬、ステロイド、糖尿病治療薬の一部など
- 遺伝性の病気:Prader-Willi症候群など25疾患
- 脳の視床下部の病気:脳腫瘍・炎症、手術による後遺症など
⚫︎肥満症の治療
治療の目的は、合併症を予防・改善することです。肥満症の治療は、まずは生活習慣の改善(食事療法・運動療法・行動療法)を行い、3~6か月で今の体重から肥満症の方は3%以上、高度肥満症の方は5~10%を目安に減量を目指します。高度肥満症の方で、6ヶ月以上生活習慣の改善に取り組んでも十分な効果が得られない場合には、薬物療法(GLP-1受動態作動薬)や外科手術による治療を検討します。
<食事療法>
1食の中で炭水化物50~65%、蛋白質13~20%、脂質20~30%を目安に、1日の摂取エネルギー量を目標体重([身長m]×[身長m]×22)×25 kcal以下を目標にします。なお、高タンパク質・低カロリーでビタミン・ミネラルなどが調整されたフォーミュラ食で置き換えダイエットをすることもおすすめです。
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<運動療法>
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<行動療法>
日々の生活の中の『行動のクセ』に気づくことで、無理なく継続できる習慣を身につけることを目的とします。
<食事療法>
1食の中で炭水化物50~65%、蛋白質13~20%、脂質20~30%を目安に、1日の摂取エネルギー量を目標体重([身長m]×[身長m]×22)×25 kcal以下を目標にします。なお、高タンパク質・低カロリーでビタミン・ミネラルなどが調整されたフォーミュラ食で置き換えダイエットをすることもおすすめです。
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食事行動質問票
55項目からなる質問票(Fujifilm社のホームページ)から自分の食行動のクセに気が付くことを目的とします。
グラフ化体重日記
1日に4回① 起きた直後、② 朝ごはんのあと、③ 夕ごはんのあと、④ 寝る前 の4回体重を測り記録します。あとでまとめて書くのではなく、測定のたびに記入することが大切です。1週間ほど続けると、体重の1日の変動や1週間の中での増減がグラフで見えるようになります。例えば「食べすぎた日には体重が少し増えた」「運動をした日は減った」など、自分の生活と体重の関係がわかりやすくなり、食事や運動への意識を高めることができます。
30回咀嚼法
食事をじっくりと味わって丁寧に噛むことで満腹中枢が刺激され、早食い・食べ過ぎの防止を目的としています。方法は、一口の噛み回数を30回と決め(初めての方は20回から開始)、これができれば○、1回でも間違えれば×とし、決められた回数を噛めるようにしていきます。満腹感を感じたら、食事が残っていても食事を終えましょう。
骨粗鬆症
骨粗鬆症
骨の中のカルシウムやたんぱく質などが減って骨がもろくなり、折れやすくなる病気です。
原因は、加齢や女性ホルモン(エストロゲン)の減少、カルシウムやビタミンDの不足、運動不足・喫煙・過度な飲酒などの生活習慣、ステロイド薬の長期使用、他の病気によるもの(糖尿病、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、成人成長ホルモン分泌不全症、慢性腎臓病など)が挙げられます。治療は、骨折を予防し生活の質を保つことを目的とし、食事療法のほかに薬物療法として骨の吸収を抑える薬や骨を作る薬を使います。加えて、適度な運動や日光浴、転倒予防も大切です。
<食事療法>
骨を強くするためにカルシウムやビタミンD・ビタミンKなどを意識して摂取することが大切です。各成分を多く含む食品には以下のようなものがあります。
- カルシウム:乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)、小魚(ししゃも・いわし・ちりめんじゃこなど)、大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など)、緑の野菜(小松菜・チンゲン菜・水菜など)
- ビタミンD:鮭・サンマ・イワシなどの魚類、干ししいたけ、きくらげなど
- ビタミンK:納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど
- マグネシウム:海藻、ナッツ、玄米など
- 亜鉛:牡蠣、牛肉、ごまなど
<運動療法>
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