糖尿病とは

糖尿病とは

私たちの体では、食事をすると血液の中にブドウ糖(血糖)が増えます。このとき、すい臓から出るインスリンというホルモンが血糖を体の中に取り込み、エネルギーとして使えるようにしています。

ところが、インスリンが十分に出なくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが出ていてもうまく働かなくなると(インスリン抵抗性の悪化)、血糖値が高い状態が続いてしまいます。血液中の糖があまりに多くなると体が処理しきれず、尿に糖が出てくることから「糖尿病」と呼ばれています。

糖尿病の怖いところは、初期では無症状なことが多いですが、進行すると動脈硬化による深刻な合併症を引き起こします。元気に長生きするためにも、糖尿病の症状がある方や、健康診断などで高血糖を指摘された方はお早めにご相談ください。

こんな症状はありませんか?

  ・トイレが近くなり尿量も多い

  ・喉が渇きやすい・水分摂取量が増えた

  ・疲れやすい

  ・ご飯を食べているのに空腹感が強い

  ・沢山食べても痩せる

  ・手足がしびれる

  ・視力が落ちてきた

・トイレが近くなり尿量も多い

・喉が渇きやすい・水分摂取量が増えた

・疲れやすい

・ご飯を食べているのに空腹感が強い

・沢山食べても痩せる

・手足がしびれる

・視力が落ちてきた

糖尿病の種類

糖尿病の種類

糖尿病にはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因や治療方法が違います。

1型糖尿病

1型糖尿病

自己免疫の異常が関係しているとされ、体の中でインスリンをつくる細胞(膵臓のβ細胞)が壊されてしまい、インスリンが分泌されなくなってしまう病気です。

子供の時に発症することが多いですが、大人になっても発症することがあります。治療は、外からインスリンを補う「インスリン注射」が必要です。

2型糖尿病

2型糖尿病

日本で最も多いタイプで、糖尿病の約95%を占めます。遺伝的な体質(糖尿病になりやすい家系)や生活習慣(食べすぎ・運動不足・肥満・ストレス・喫煙など)が原因でインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性の悪化)になりやすく、インスリン分泌が低下した状態になることもあります。

治療は、食事療法・運動療法に薬物療法(飲み薬やインスリン注射)を組み合わせていきます。



1型糖尿病と2型糖尿病の比較

分類

1型

2型

原因

自己免疫

遺伝的要因と環境要因

病態

インスリン分泌低下

インスリン抵抗性悪化・分泌低下

家族歴

2型糖尿病より少ない

血縁者に糖尿病患者が多い

発症年齢

小児〜思春期に多い

(何歳でも発症しうる)

中高年で多い

若年発症も増えている

肥満

関係ない

関係ある

治療

インスリン注射

食事療法・運動療法・飲み薬

場合によってはインスリン注射

自己抗体

抗GAD抗体、抗IA-2抗体などが陽性

陰性

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて血糖値が高くなる状態です。胎盤から出るホルモンの影響でインスリンが効きにくくなることが原因で、出産後は血糖値が元に戻ることが多いです。

妊娠中に母体と胎児に影響を与える可能性や、将来糖尿病を発症するリスクが高いため、早期に適切な介入が必要です。

⚫︎ 診断

妊娠24週頃に行う50 gブドウ糖負荷試験で1時間値が140 mg/dLを超える場合や、定期的な血液検査で高血糖を、尿検査で尿糖を指摘された場合は75 gブドウ糖負荷試験が実施されます。

この試験において、下記の基準に1つでも当てはまる場合に妊娠糖尿病と診断されます。

 ・空腹時血糖92 mg/dL以上

 ・1時間値180 mg/dL以上

 ・2時間値153mg/dL以上

⚫︎ 妊娠糖尿病によるリスク

無症状なことが多いですが、ママだけでなく赤ちゃんにも多くのリスクをもたらす可能性があります。

ママに起こりうる疾患

流産・早産、巨大児による難産、妊娠高血圧症候群、羊水過多、網膜症、血管障害、膀胱炎・腎盂炎、ケトアシドーシス

赤ちゃんに起こりうる疾患

巨大児、子宮内胎児死亡、新生児低血糖、先天奇形、発育遅延、呼吸窮迫症候群、低カルシウム血症、新生児ビリルビン血症、黄疸、心臓の肥大、多血症

⚫︎ 妊娠糖尿病になりやすい人

・肥満

・多胎妊娠

・過去に妊娠糖尿病と診断された

・35歳以上の高齢妊娠

・家族・親族に糖尿病の人がいる

・過去に巨大児の出産歴がある

・原因不明の流産・死産・早産歴がある

・過去に妊娠高血圧症候群の診断を受けたことがある

・先天性奇形児の出産歴がある

⚫︎ 妊娠糖尿病の治療

食事療法・運動療法を行い、それでもコントロールが不十分な場合は薬物療法を行います。

妊娠中の目標血糖値は、空腹時血糖値が95 mg/dL未満かつ食後2時間後の血糖値が120 mg/dL未満です。

食事療法
まずは妊娠中の適切なエネルギー量を把握し、必要な栄養を過不足なくとるようにしましょう。
食後の血糖値の上昇をなだらかにするために、1日6回に分けて食べるのがおすすめです。
 例:朝・昼・夕の食事量を少し減らし、各食後2時間ほど経ったら、
   おにぎりやクラッカーなどの軽食(80~160kcal)をとる。
軽度の妊娠糖尿病であれば、食事療法のみで血糖コントロールが可能です。

 妊娠中の適切なエネルギー量=標準体重×30kcal+妊娠の時期に応じた付加量

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m) ×22
妊娠の時期に応じた付加量:妊娠初期(16週未満)は+50kcal
               中期(1627週)は+250kcal
               後期(28週以降)は+450kcal
妊娠前に肥満(BMI25以上)がある場合、付加量はどの週数でも0です。

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m) ×22
妊娠の時期に応じた付加量:
妊娠初期(16週未満)は+50kcal
中期(1627週)は+250kcal
後期(28週以降)は+450kcal
妊娠前に肥満(BMI25以上)がある場合、付加量はどの週数でも0です。

運動療法
妊娠週数が進むにつれて体への負担は大きくなるため、食後12時間以内にウォーキングやヨガ・家事などの
有酸素運動を30分程度、週34回を目安に無理のない範囲で行うのがおすすめです。 

 薬物療法
妊娠中の安全性がほぼ確立されているインスリン注射を使用します。

その他のタイプ

その他のタイプ

遺伝子の異常、ホルモンの病気(内分泌疾患)、膵臓の病気や手術後、肝臓の病気、薬の副作用、感染症などで糖尿病を発症することがあります。この場合は、原因疾患を治療することで改善が見込めます。

糖尿病の合併症

糖尿病の合併症

長いあいだ血糖値が高い状態が続くと、血管の壁が傷つき、そこに悪玉コレステロール(LDLコレステロール)がたまり、プラークと呼ばれるができます。このプラークが増えると血管が硬くなり(動脈硬化)、血の流れが悪くなることで様々な合併症を引き起こします。

⚫︎三大合併症

糖尿病神経障害

糖尿病神経障害

合併症の中で最も早く自覚症状を起こし、手や足先しびれや痛み、感覚の低下が左右対称に出て、だんだん体の中心に広がります。また、自律神経が障害されると、汗が出にくい・出すぎる立ちくらみ(起立性低血圧)便秘や下痢排尿しにくい、勃起しにくいといった症状が現れますまた、痛覚が低下し足のケガに気がつかないまま放置すると、最悪足の切断に至るケースもあります。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

高血糖が続くと目の網膜を栄養する毛細血管が障害され、視力が低下します。さらに放置すると眼底出血や網膜剥離を起こし失明する可能性があり早期発見のためにも定期的に眼科を受診することが大切です。

糖尿病腎症

糖尿病腎症

高血糖が続くと腎臓の中で尿をつくる糸球体が傷つき、少しずつ腎臓の働きが悪くなり腎不全になって最終的に人工透析が必要になることがあります。日本で透析になる原因で最も多いのが、この糖尿病腎症です。

進行を防ぐために大切なこと

・血糖値をしっかりコントロールする
血圧を管理する(家庭では125/75 mmHg未満が目標)
塩分を控え、バランスのよい食事をとる
禁煙する
腎臓を守る薬を併用する
定期的に尿検査・血液検査を受ける(尿たんぱく・腎機能のチェック)

⚫︎その他の合併症

下肢閉塞性動脈硬化症

下肢閉塞性動脈硬化症

動脈硬化の進行により足の血管が細くなったり詰まったりして足の先が壊死して黒くなり、最悪の場合は足を切断することもあります。日本で足を切断する原因で一番多いのが糖尿病です。つま先の皮膚が黒くなる歩いているとふくらはぎが痛む・しびれる・疲れる少し休むとまた歩けるといった症状がある場合は、ABI(足首と腕の血圧の比)という検査を行います数値が0.9以下の場合、足の血流が悪くなっている可能性があります。

脳卒中

脳卒中

動脈硬化の進行により、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、血管がもろくなって破れる「脳出血」を起こしやすくなります。体の左右どちらかの麻痺や呂律が回らなくなった時は要注意です。事前の検査として、頸動脈エコー検査を行うことでリスクを評価することができます。

急性冠症候群(狭心症・心筋梗塞)

急性冠症候群(狭心症・心筋梗塞)

動脈硬化の進行により心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まることで、狭心症や心筋梗塞などが起きやすくなります。糖尿病で急性冠症候群を発症した場合、痛みを感じないことが多、病変範囲が広いことが多いため、重症化しやすいです坂道や階段での息切れ症状が激しくなったなどの症状がある場合、より詳しく調べるため高度医療機関にご紹介いたします。 

動脈硬化の進行により心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まることで、狭心症や心筋梗塞などが起きやすくなります。糖尿病で急性冠症候群を発症した場合、痛みを感じないことが多、病変範囲が広いことが多いため、重症化しやすいです坂道や階段での息切れ症状が激しくなったなどの症状がある場合、より詳しく調べるため高度医療機関にご紹介いたします。 

高血圧症

高血圧症

詳細はこちら

脂質異常症

脂質異常症

詳細はこちら

骨粗鬆症

骨粗鬆症

詳細はこちら

感染症

感染症

細菌と戦う白血球の力が低下し、感染で炎症が起こるとさらに血糖値が上がるという悪循環になることで、感染症にかかりやすく重症化しやすくなります。そのため、糖尿病の方は予防接種(インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチン・帯状疱疹ワクチンなど)を定期的に受けることをおすすめします。また、歯を失う原因の1位である歯周病を予防するためにも、定期的に歯科を受診することが大切です。 

がん

がん

特に2型糖尿病ではがんになるリスクが約20%高く、日本人では大腸がん・肝臓がん・膵臓がんのリスクが高いといわれています。地域で行われているがん検診を定期的に受け、早期発見・早期治療につなげることが大切です。 

がん検診の種類

がん検診 

対象年齢 

実施回数 

検査内容 

胃がん 

50歳以上 

2年におき 

問診、レントゲンまたは胃カメラ 

肺がん 

40歳以上 

毎年 

問診、レントゲン、喀痰細胞診 

大腸がん 

40歳以上 

毎年 

問診、便潜血検査 

子宮頸がん* 

20歳以上 

2年におき 

問診、視診、内診、細胞診 

乳がん* 

40歳以上 

2年におき 

問診、マンモグラフィー 

*女性のみ 出典:厚生労働省HPより 

うつ病

うつ病

長いあいだの食事制限、血糖測定や注射などの自己管理、そして医療費の負担などが大きなストレスになり、うつ病を併発する人が少なくありません。また、うつ病になると、運動不足や食事・薬の管理が難しくなってしまい、糖尿病が悪化しやすくなります。うつ病は、薬やカウンセリング(精神療法)で改善が見込める病気です。「気分が落ち込む」「何もする気がしない」などの症状が続くときは、必要に応じて心療内科や精神科などをご紹介いたします。

認知症

認知症

認知症にはいくつかのタイプがありますが、糖尿病の方はアルツハイマー型認知症や血管性認知症を発症するリスクが、そうでない人に比べて2~3倍高いといわれています。理由は、動脈硬化によって脳の血管が細くなり、十分な血液が行き届かなくなることなどがあります。また、低血糖をくり返すことも認知症のリスクを高めるとされ、高齢者では高血糖よりも低血糖を防ぐことが大切です。そのため、コントロールの目標は個別に設定されます→詳細はこちら

認知症がある方で治療の継続が難しい場合、医療と福祉が連携してサポート体制を整えることがとても重要です。当院では認知症検査も行っておりますので、物忘れなど気になる症状がある方はご相談ください。

急性合併症

急性合併症

(命に関わる緊急性の高い状態)

糖尿病ケトアシドーシス(DKA) 
1型糖尿病でインスリン注射を打たなかった時や、2型糖尿病でジュースなどの甘味飲料を大量に飲むことで発症します。体の中でインスリンが極端に不足した状態で、糖をエネルギーとして使えなくなるため、脂肪を分解してエネルギーを作ろうとして「ケトン体」という物質が増えます。これにより血液が酸性に傾き、脱水症を起こします。血糖値がとても高くなり(300mg/dL以上)、のどの渇き・多飲・多尿などが強くなります。さらに、吐き気・おう吐・腹痛などが起こり、進行すると意識がなくなることもあります。入院し、集中治療室で治療を受ける必要があります。

(命に関わる緊急性の高い状態)

糖尿病ケトアシドーシス(DKA) 
1型糖尿病でインスリン注射を打たなかった時や、2型糖尿病でジュースなどの甘味飲料を大量に飲むことで発症します。体の中でインスリンが極端に不足した状態で、糖をエネルギーとして使えなくなるため、脂肪を分解してエネルギーを作ろうとして「ケトン体」という物質が増えます。これにより血液が酸性に傾き、脱水症を起こします。血糖値がとても高くなり(300mg/dL以上)、のどの渇き・多飲・多尿などが強くなります。さらに、吐き気・おう吐・腹痛などが起こり、進行すると意識がなくなることもあります。入院し、集中治療室で治療を受ける必要があります。

高浸透圧高血糖症候群 
2型糖尿病の高齢者で感染症、心筋梗塞や脳梗塞、急性膵炎、アルコールの大量摂取、入院中の高カロリー点滴などがきっかけで発症します。また、ステロイド・利尿薬・抗精神病薬などの薬が原因になることもあります。体の中でインスリンの働きが低下し、血糖値がとても高くなることで(500mg/dL以上になることも)、強い脱水症を起こします。入院し、集中治療室で治療を受ける必要があります。 

糖尿病の治療

糖尿病の治療

治療の目的は、合併症を防ぎ、糖尿病のない人と同じように健康で長生きすることです。治療法は大きく①食事療法、②運動療法があり、それでもコントロールが不十分な場合は③薬物療法を行います。糖尿病は完治する病気ではありませんが、治療を続けることで良好にコントロールでき定期的に受診することが大切です 

食事療法
詳細はこちら

運動療法
詳細はこちら

薬物療法

1型糖尿病の方は、一生涯にわたってインスリン注射が必要になります。一方、2型糖尿病の方は、飲み薬やインスリン注射を使います。糖尿病の薬は、あくまでも血糖値を下げるための治療薬であり、病気そのものを治すものではありません。治療薬は次の4つのタイプに分けられます。

    1. インスリン抵抗性を改善する薬(体のインスリンを効きやすくする)
      ビグアナイド薬、  チアゾリジン薬、  イメグリミン
    2. インスリン分泌を促す薬(膵臓からインスリンを出しやすくする)
      DPP-4阻害薬、  GLP-1受容体作動薬 、  イメグリミン、  スルホニル尿素薬、  速攻型インスリン分泌促進薬
    3. 糖の吸収・排泄を調整する薬
      α-グルコシダーゼ阻害薬、  SGLT2阻害薬
    4. インスリン注射製剤

1.インスリン抵抗性を改善する薬(体のインスリンを効きやすくする)
ビグアナイド薬
チアゾリジン薬
イメグリミン

2.インスリン分泌を促す薬(膵臓からインスリンを出しやすくする)
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
イメグリミン
スルホニル尿素薬
速攻型インスリン分泌促進薬

3.糖の吸収・排泄を調整する薬
α-グルコシダーゼ阻害薬
SGLT2阻害薬

4.インスリン注射製剤

⚫︎ビグアナイド薬 
一般名
(商品名)
メトホルミン(メトグルコ)
作用肝臓がブドウ糖を作るのを抑えたり、筋肉や脂肪のインスリンに対する感受性を向上させてインスリン抵抗性を改善します。
低血糖リスク低い
体重への影響なし
副作用消化器症状(吐き気・便秘・下痢)、乳酸アシドーシス
注意肝・腎・心不全がある、重度の脱水症がある、大量飲酒をしている場合は使えません。
造影剤を使う検査の前後2日間は休薬する必要があります。
⚫︎チアゾリジン薬 
一般名
(商品名)
ピオグリタゾン(アクトス)
作用筋肉や肝臓でのインスリン抵抗性を改善します。
低血糖リスク低い
体重への影響増加しやすい
副作用むくみ、女性では骨粗鬆症のリスクが高まる
注意心不全・骨粗鬆症・膀胱癌の治療中では使えません
⚫︎イメグリミン
一般名
(商品名)
イメグリミン(ツイミーグ)
作用ミトコンドリア作用を介して、血糖値が高いときに膵臓からインスリン分泌を促します。
また、肝臓・骨格筋でのインスリン抵抗性を改善します。
低血糖リスク単剤では低血糖リスクは低いですが、スルホニル尿素薬と併用する場合は低血糖に注意が必要です。
体重への影響なし
副作用消化器症状(吐き気・下痢・便秘)
※ビグアナイド薬と併用する場合、より出やすくなります。
⚫︎スルホニル尿素薬 
一般名
(商品名)
グリクラジド(グリミクロン)、 グリメピリド(アマリール)、グリベンクラミド(ダオニール、オイグルコン)
作用膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進します。
低血糖リスク高い
体重への影響増加しやすい
副作用肝障害(まれ)
⚫︎速効型インスリン分泌促進薬 
一般名
(商品名)
ミチグリニド(グルファスト)、レパグリニド(シュアポスト)、ナテグリニド(ファスティック、スターシス)
作用膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進します。
低血糖リスクややあり
体重への影響増加しやすい
副作用肝障害(まれ)
注意スルホニル尿素薬との併用はできません。
⚫︎DPP-4阻害薬

 

一般名
(商品名)
毎日内服する:シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)/ビルダグリプチン(エクア)/アログリプチン(ネシーナ)/リナグリプチン(トラゼンタ)/テネリグリプチン(テネリア)/アナグリプチン(スイニー)/サキサグリプチン(オングリザ)

週1回内服する:オマリグリプチン(マリゼブ)/トレラグリプチン(ザファテック)

作用食事のあとに働くホルモン(インクレチン)が体の中で壊されるのを防ぎ、その効果を長く保ちます。
インクレチンは、食事をすると腸から分泌されるホルモンで、血糖値が高いときにインスリンを出やすくし、
血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)が出すぎないようにする働きがあります。
低血糖リスク低い
体重への影響なし
副作用イレウス(腸閉塞)、類天疱瘡、急性膵炎、胆嚢炎
⚫︎GLP-1受容体作動薬GIP/GLP-1受容体作動薬
一般名 (商品名) 毎日内服する:セマグルチド(リベルサス)

週1回注射する:マンジャロ(チルゼパチド)、デュラグルチド(トルリシティ)、 セマグルチド(オゼンピック)

1日1回注射する:リラグルチド(ビクトーザ)、リキシセナチド(リスキミア)

作用 膵臓のGLP-1*受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリン分泌を促進し、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑制します。 胃や中枢神経にも働き、胃から腸への食物の移動を遅らせる効果や、食欲を抑える効果もあります。 *GLP-1:小腸下部から分泌される消化管ホルモンの一種
低血糖リスク 低い
体重への影響 体重は減りやすい
副作用 消化器症状(吐き気・下痢・便秘)、急性膵炎
⚫︎α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬) 
一般名
(商品名)
アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)
作用小腸からの炭水化物の消化・吸収を遅らせ、食後の血糖上昇を抑制します。
低血糖リスク低い
体重への影響なし
副作用消化器症状(吐き気・便秘・下痢)、おなら
注意食直前(5〜10分程度前)に服用します。低血糖時は「ブドウ糖」を服用します。
⚫︎SGLT-2阻害薬 

 

一般名
(商品名)
イプラグリフロジン(スーグラ)、ダパグリフロジン(フォシーガ)、ルセオグリフロジン(ルセフィ)、トホグリフロジン(デベルザ)、カナグリフロジン(カナグル)、エンパグリフロジン(ジャディアンス)
作用腎臓の尿細管でブドウ糖の再吸収を抑制し、尿へ糖が出るよう促して血糖値を下げます。
低血糖リスク低い
体重への影響体重は減りやすい
副作用多尿・頻尿、脱水症、性器感染症、糖尿病ケトアシドーシスなど
⚫︎インスリン注射製剤

1型糖尿病だけでなく、2型糖尿病でもインスリン分泌が低下したときにはインスリン注射が必要です。その他に、血糖値が急に上がって意識がもうろうとする高血糖性昏睡や、重い肝臓・腎臓の病気、重い感染症があるとき、手術の前後や、妊娠中に血糖値が高くなる場合(妊娠糖尿病など)に必要になることがあります。 

インスリンには、1日を通して少しずつ出ている「基礎分泌」と、食事のときに血糖値を下げるために出る「追加分泌」の2種類があります。1型糖尿病ではこの両方を補うために、2種類のインスリン注射製剤を使います。一方、2型糖尿病では患者様の状態に合わせて、必要なタイプのインスリン注射製剤を選びます。使われるインスリンには、①超速効型速効型中間型持効型の4種類があり、それぞれ作用の強さや持続時間が異なります。 

<2型糖尿病におけるインスリン注射は体に優しい治療法です>
2型糖尿病でインスリン注射をすすめられると、「病気が悪化した!」とショックを受け、中には拒否的になってしまう方もいます。インスリン療法は、病気が進んでからだけでなく、早い段階でも効果的な治療法です。内服薬の効果が十分でないときに外からインスリンを補うことで、今まで無理に働いていた膵臓を休ませ、回復を助けることができます。つまり、インスリン注射は体にやさしい治療であり、将来的に注射をやめられる可能性もある前向きな治療法です。

<血糖値の管理方法>
インスリンを使っている人は、血糖値をできるだけ安定させることが大切です。しかし、血糖値は食事や運動、体調などで大きく変わるため、病院で測った数値だけでは正確なコントロールができません。そこで、自分で血糖値を測る「自己血糖測定」を行うことで、より正確に治療方針を立てられるだけでなく、自分でも血糖の変化を知ることができ、生活の見直しにもつながります。また、低血糖や体調を崩したとき(シックデイ)にも早めに気づいて対応できるという大きなメリットがあります。
GLP-1注射薬を使っている方も、自己血糖測定(SMBG)が保険の対象になります。

<インスリン療法の副作用>
主な副作用に低血糖(血液中のブドウ糖が少なくなった状態)があります。
脳はブドウ糖をエネルギーにして働くため、低血糖になると中枢神経症状が出現します。低血糖症状があるか血糖測定にて血糖値が
70mg/dl未満の時はすぐにブドウ糖を510gまたはブドウ糖を含む清涼飲料水150ml程度を摂取して下さい。食事時間が近ければ、すぐに食事を摂りましょう。自己血糖測定をしている場合は、低血糖から30分後に血糖値を再検し、まだ血糖値が70mg/dl未満の場合は、血糖値が70mg/dl以上になるまで同じ工程を繰り返します。

インスリン療法の副作用
主な副作用に低血糖(血液中のブドウ糖が少なくなった状態)があります。脳はブドウ糖をエネルギーにして働くため、低血糖になると中枢神経症状が出現します。低血糖症状がある、または血糖測定にて血糖値が70mg/dl未満の時はすぐにブドウ糖を510gまたはブドウ糖を含む清涼飲料水150ml程度を摂取して下さい。食事時間が近ければ、すぐに食事を摂りましょう。自己血糖測定をしている場合は、低血糖から30分後に血糖値を再検し、まだ血糖値が70mg/dl未満の場合は、血糖値が70mg/dl以上になるまで同じ工程を繰り返します。

コントロールの目標

コントロールの目標

糖尿病の指標として最も広く使われているのが HbA1c(ヘモグロビンA1c)です。HbA1c は、過去12か月の平均的な血糖状態を示す数値で、日々の変動に左右されにくく、長期的な血糖管理の指標として有用です。

⚫︎65歳未満の血糖コントロール
⚫︎高齢者の血糖コントロール目標

認知機能や生活の自立度(ADL)、他の病気、重症低血糖のリスク、余命などによってHbA1cの目標値を決めます。

出典:糖尿病診療ガイドライン2024

出典:糖尿病診療ガイドライン2024

ADL:日常生活動作のこと 

ADL:日常生活動作のこと 

基本的ADL(体の基本的なお世話を自分でできるかどうかの指標)
例)食事をする、トイレに行く、お風呂に入る、服を着替える など

手段的ADL(家庭や社会で生活するために必要な能力があるかどうかの指標)
例)買い物に行く、料理・掃除・洗濯などの家事をする、お金の管理をする、交通機関を使って移動する など

基本的ADL(体の基本的なお世話を自分でできるかどうかの指標)
例)食事をする、トイレに行く、お風呂に入る、服を着替える など

手段的ADL(家庭や社会で生活するために必要な能力があるかどうかの指標)
例)買い物に行く、料理・掃除・洗濯などの家事をする、お金の管理をする、交通機関を使って移動する など

シックデイ

シックデイ

「シックデイ」とは、発熱や吐き気、下痢などで体調を崩し、食欲がなくなって食事がとれなくなる状態のことをいいます。こうしたときは、体の中でストレスホルモンや炎症の影響によって血糖値が上がりやすくなりますが、反対に食事とれないまま飲み薬やインスリンを使うと低血糖になることあります。そのため、自己血糖測定をしている場合は血糖値を34時間ごとに測り、食事がとれなくても自分の判断で薬やインスリンをやめないようにすることが大切です。
体調が悪いときは無理
をせず、早めに相談ください。 

「シックデイ」とは、発熱や吐き気、下痢などで体調を崩し、食欲がなくなって食事がとれなくなる状態のことをいいます。こうしたときは、体の中でストレスホルモンや炎症の影響によって血糖値が上がりやすくなりますが、反対に食事とれないまま飲み薬やインスリンを使うと低血糖になることあります。そのため、自己血糖測定をしている場合は血糖値を34時間ごとに測り、食事がとれなくても自分の判断で薬やインスリンをやめないようにすることが大切です。
体調が悪いときは無理
をせず、早めに相談ください。