食事療法
食事療法
⚫︎適切なエネルギー量を守りましょう
適切な1日のエネルギー摂取量(kcal/日)=標準体重(kg) × エネルギー係数(kcal)
*標準体重(kg)=身長(m)×身長(m) ×22
*エネルギー係数
軽い労作(デスクワークなど):25~30kcal
普通の労作(立ち仕事など):30~35kcal
重い労作(力仕事など):35kcal以上
⚫︎食べ方に気をつけましょう
1日3食を規則正しく食べる
食事回数が少なく、1回の食事量が多いと食後の血糖値の上昇が急激になります。また、食事の時間がバラバラで間隔が狭いと、血糖値が下がりきらないまま次の食事を摂ることになり、高血糖の状態が続いてしまいます。
食べる順番を意識する
糖質である炭水化物(ご飯・パン・麺類など)を最初に食べてしまうと食後血糖値が急上昇します。食物繊維が多い食品(野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなど)を先に食べることで血糖値やインスリンの上昇を緩やかに抑えることができ、炭水化物のとり過ぎによるカロリーオーバーも避けられます。
ゆっくり食べ、腹八分目でやめる
よく噛み、ゆっくり時間をかけて食べることで満足感が高まり、食べ過ぎを防ぐことができます。まずは「腹八分目」や「これまでより1割少なく」を意識しましょう。
手の届く範囲に食べ物を置かない
無意識の間食を防ぐために、食べ物は視界や手の届く場所に置かず、見えない・取りにくい場所に保管しましょう。
⚫︎バランスよく食べる
1食あたり、炭水化物は50~60%、たんぱく質は15~20%、脂質は20~30%が望ましいとされています(腎臓病などを合併している場合は異なることがあります)。炭水化物を極端に減らすと、たんぱく質・脂質・塩分摂取量が多くなりやすいです。毎食、主食・主菜・副菜を揃え、バランスよく摂取しましょう。
食事の基本ポイント
・主食(ごはん・パン・麺類)は1食につき1品
→血糖値が気になる場合は、ご飯を玄米や雑穀米にしたり、パンをライ麦パンや胚芽パンなどにする。
・主菜(肉・魚・卵・大豆製品)は1食につき1品
・副菜(野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなど)は1~2品
⚫︎塩分量に気をつけましょう
日本人の食事摂取基準において、1日の食塩摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満が目標となっています。さらに高血圧・糖尿病・心臓病・腎臓病がある場合は1日6g未満が望ましいとされています。
減塩のポイント
汁物は1日1杯まで、具を多くして汁を少なくする。
麺類の汁は残し、麺類を食べた日は汁物を控える。
加工品・漬物・佃煮は控える。
煮物ばかりにならないようにする。
調味料はかけずにつけて使う。
減塩調味料を活用する。
【小さじ1杯に含まれる食塩量】
【小さじ1杯に含まれる食塩量】
⚫︎高カロリーな食事に注意しましょう
脂質
炒め物や揚げ物などの脂質を多く含む料理は満足感が得られる一方、食べる回数や量が多いとカロリーオーバーになり、体重増加や脂質異常症の原因になります。
調理のポイント
・揚げ物は高温で短時間に揚げる
・炒め物はフッ素樹脂加工のフライパンを使いまとめて作ると油の量を減らせる
・植物油や青魚の油を積極的にとる
中食・外食
中食(コンビニ/スーパーの弁当や惣菜)や外食は手軽で色々なメニューが楽しめるため魅力的なものです。利用する場合は、下記を意識してうまく食べましょう。
・1日1回・全体の3分の1程度の量にする
・主食・主菜・副菜(+汁物)がそろった定食を選ぶ
・麺類は具だくさんを選ぶ
・油っこい料理は控えめにする
・量が多いときや汁物・漬物は残す
おやつ
砂糖を多く含む炭酸飲料やジュース類は吸収が早く、血糖値が急激に上昇します。どうしても甘いものが食べたくなった時は、食後すぐに少量食べましょう。また、カロリー0の人工甘味料を適度に使うことも有効です。
⚫︎飲酒は適量にしましょう
過度な飲酒は高血圧・肥満・糖尿病・脂肪肝・肝硬変など多くの健康被害を引き起こします。
お酒の適量は1日あたり純アルコール20g程度で、女性や高齢者はさらに少ない量が望ましいとされています。週に2日の休肝日を設けることで、肝臓の負担を減らし脂肪肝を防ぐことができます。糖尿病の方は、糖分を多く含む酎ハイやカクテルは避けましょう。
※アルコールの代謝能力には個人差があり、少量でも肝臓を傷める人もいます。
【各種アルコール飲料での純アルコール20g】
【各種アルコール飲料での純アルコール20g】
運動療法
運動療法
⚫︎運動の効果
運動を続けることで、血糖値を下げやすくなり、インスリンの働きが良くなります。また、脂質や血圧のバランスが整い、筋力や体力、心肺機能も維持・向上します。さらに、認知症やうつ、ストレスの予防にもつながります。
⚫︎運動の種類
糖尿病の運動療法は、必ずこうしなければならないという決まりはありません。いきなり完璧を目指すのではなく、「寝る前に5分ストレッチ」「少し遠回りして帰る」などから始め、無理なく続けることが大切です。
基本の考え方
目標は、週に合計150分以上で有酸素運動と筋力トレーニング(レジスタンス運動)を組み合わせるのが理想です。運動前後にストレッチをしてケガを防ぎ、運動中は水分補給をこまめに行いましょう。低血糖になりやすい薬を使っている方は、ブドウ糖を携帯し、低血糖症症状(冷や汗・ふるえ・動悸・めまいなど)が出たらすぐに運動は中止してブドウ糖を摂取しましょう。
有酸素運動
例)ウォーキング・ジョギング・水泳など
・強度は息が軽く弾む程度
・1回20~30分、週3~5回が目標
・通勤などの徒歩時間を含めて1日1万歩以上歩くと効果的
有酸素運動
例)ウォーキング・ジョギング・水泳など
・強度は息が軽く弾む程度
・1回20~30分、週3~5回が目標
・通勤などの徒歩時間を含めて1日1万歩以上歩くと効果的
筋力トレーニング
例)スクワット・腕立て伏せ・腹筋・ダンベル体操など
足・腰・背中など大きな筋肉を鍛えると代謝が上がり、関節の負担も減ります。特別な器具は不要で、自宅でも安全に実施できます。
・強度は「ややきつい」と感じる程度(7~10回繰り返せる程度)
・8~10種類の運動を、10回を1セットとし、1~3セット行う。
・週2~3回(できれば1日おき)
日常生活の工夫
運動は食後1~2時間以内に行うのが理想的ですが、まずは「食後にダラダラしない」ことを心がけましょう。たとえば、朝食後は出勤、昼食後は散歩や片づけ、夕食後は入浴など、食後に体を動かす習慣をつけることが大切です。また、長時間のデスクワーク中は、かかとの上げ下げやこまめに立ち上がるなど、少しでも体を動かす工夫をしましょう。さらに、エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩く、家事や掃除を積極的に行うといったことも立派な運動になります。
⚫︎運動療法に注意が必要な人
以下の症状・状態がある方は、必ず医師に相談してから運動を行いましょう。
・空腹時血糖が250mg/dL以上
・尿にケトン体が出ている
・進行した神経障害・網膜症・腎臓病・心臓病がある
・足に潰瘍や壊疽がある
・骨や関節の病気がある
